ずっと住む場所だから…周辺環境は慎重にチェックすべし!

家を建てるためには、当たり前のことですが土地が必要です。中には親御さんから受け継いだ土地がすでにあるという方もいらっしゃるとは思いますが、それよりも土地探しから家づくりをスタートするケースの方が断然多いでしょう。

では、あなたは土地をどのように選びますか?

人というものは、どうしても何かを選ぶときには現状を基準にしてしまいがちです。しかし、土地を買って家を建てるということは、おそらくその場所で一生涯暮らしていく可能性が高いということです。もしかしたら、その土地を子どもが受け継いで家を建て直して住み続けていくこともあるかもしれません。

となると、やはり長い目で見て暮らしやすい周辺環境が整っているかどうかという観点を持つことが、土地選びにおいては非常に重要になります。

例えば子どもが生まれたら、どうでしょうか?今現在子どもがいなくても、いずれ子どもを持つことを想定して家づくりをする人は多いと思います。しかしその際に周辺環境に関して気にするのは、おそらく学校などの教育施設との位置関係や治安の良さくらいではないでしょうか?

というか、筆者は子どもが産まれる前に家を建てたのですが、実際その程度のことにしか考えが及びませんでした。しかしいざ子どものいる生活になってみると、それまで想像もしなかったようなことが気にかかってくるのです。

例えば、公園や子育て支援センターのような子どもが安全に遊べる施設というのは、ほとんどが徒歩で行くことを想定した場所にあります。つまり徒歩圏内にそれらの施設がなければ、子どもを気兼ねなく自由に遊ばせたり、就園前に同年代の友達づくりをすることは少し難しくなるのです。

また、近所に住んでいる人の年齢層というのも重要なチェックポイントです。子育て世帯のファミリー層が多い地域では、子どもも親も交友関係が築きやすく、子育てや教育に関する情報を得やすくなります。

逆にすでに子どもは独立しているような高齢者の多い地域では、やはりファミリー世帯は孤立してしまいがちです。温かくかかわってくれる人ももちろんいると思いますが、一方で子どもを騒音や迷惑のもとと考える人に出くわすこともあるかもしれません。

さらに年を重ねて、自分自身が高齢者になったときのことを考えるのも大切です。

若いうちは、多少スーパーや公共の施設が遠くても、自宅の周りが坂道だらけでも、なんとかなってしまうものです。しかしそれらの不便さは、年をとって身体が衰えてきた時に致命的な問題となりかねません。

車や自転車での移動がしにくくなってきた時に、遠くのスーパーへはどうやって買い物に行けばよいのでしょうか?もしも足が不自由になって車いすになってしまったら、上り下りの激しい地形は大きな障害になるでしょう。

このように、周辺環境で重視すべきこと、気になることというのはライフステージのどの段階にいるかで少なからず変わっていくものです。そのすべてを満たす土地を見つけるのは容易ではないかもしれませんが、意識して気にかけるようにしてみましょう。

また、そうした周辺環境はデータ上だけでなく、必ず現地に行って自分の足で歩いて確認することが大切です。地図で見る分には近くても、経路上に急な坂道や電車の行き来が多い踏切があるかもしれません。さらに交通量や夜道の様子など、時間帯によって変わることもあります。

土地探しをする際には、できれば複数回、時間帯を変えて現地の周辺環境を確かめることをおすすめします。手間がかかるかもしれませんが、住み始めてから『こんなはずじゃなかった!』とならないためには必要なことなのです。