結局いくら返ってくるの?知らなきゃ損する住宅ローン控除の仕組み

家を建てるというのは喜ばしいことですが、これから何十年とかけて住宅ローンを返していくことを考えると、やっぱり少し気が重いものですよね。そんな住宅ローンの金銭的な負担を多少なりとも軽減するために、住宅ローン控除という制度があります。

今回は、パッと見ただけでは少しわかりにくい住宅ローン控除の仕組みについて、わかりやすく解説していきましょう。

住宅ローン控除というのは、端的に言えば、住宅ローンを抱えている債務者の税金を一定額控除するシステムです。具体的には、入居から最大10年の間、年末時点での住宅ローン残高か住宅を取得した際の対価のうち、いずれか少ない方の金額の1%に当たる額を、基本的に所得税から控除していくことになっています。

もし所得税だけでは控除額に満たない場合は、住民税も最大13万6500円まで控除の対象になります。ただし、所得税と住民税の控除可能額を合わせても住宅ローン控除の金額に満たない場合は、それ以上の金額は返ってこなくなります。

ちなみに、会社員のような給与所得者の場合、所得税などの税金は給与から源泉徴収されていますよね。そこで、会社員の方は住宅ローン控除を受けるために確定申告をする必要があります。

ただし入居した最初の年に確定申告をすれば、以降は自動的に年末調整で住宅ローン控除が行われるようになるので、毎年面倒な手続きをする必要はありません。

なお、住宅ローン控除制度は何度か見直し・変更が行われており、適用されるのは入居した年の制度ということになっています。

現状の制度では住宅ローンの年末残高のうち最大4000万円まで控除対象となるようになっており、これは平成33年6月の入居まで適用される予定です。

つまり、年間最大40万円まで税金が控除されるというわけです。ただし住宅ローンは、当たり前のことですが毎年少しずつ減っていくので、年末の住宅ローン残高が4000万円を切ると、そこからは年々控除額も低くなっていくことになります。

1つ気を付けてほしいのが、住宅ローン控除の対象になるには、いくつかの条件があるということです。注文住宅で戸建てを立てた場合の条件をご紹介します。

まず1つ目の条件は、建物の完成から6カ月以内に入居しているということです。家を建てたはいいものの、仕事や家庭の都合で入居が遅れてしまうということはあるかもしれませんが、その場合でも半年以内には入居するめどをつけるようにしましょう。

所得面での制限もあります。住宅ローンを借り入れしている債務者となっている人の所得が3000万円以上あると、ローン控除は受けられません。

また、住宅ローン控除というのは、ローン返済期間が10年以上あって始めて適用される仕組みです。したがって、住宅ローンの返済期間が残り10年を切った時点で、ローン控除は受けられなくなります。繰り上げ返済で支払い期間を短縮するとしても、住宅ローン控除を10年きっちり受けられる期間が残るように、返済額を調整しましょう。

さらに、建物自体の床面積が50㎡以上あること、床面積の2分の1以上が自宅としての居住を目的でつくられていることも欠かせない条件です。ほぼ完全な店舗に近い建物や戸建て住宅でも賃貸用に建設した物件は住宅ローン控除の対象外となるので注意しましょう、

せっかく住宅ローン控除というお金の負担を軽くする仕組みがあるのですから、しっかり最大限活用したいですよね。必要な手続きや条件を見落とすことが無いように、くれぐれも気を付けてください。わからないことがあれば、税務署に確認するのがおすすめです。