家を美しく保つカギ!収納スペース、どこにどのくらい作るべき?

どんなに空間づくりとインテリアにこだわった美しいお部屋でも、雑多なものが出しっぱなしでごちゃついた印象を与えてしまうようでは魅力が半減してしまいます。

そこで間取りを考えるうえで欠かせないのが、収納スペースをどこにどれくらいつくるかということです。収納は家づくりの影の主役とも言えるくらい重要性の高いポイントでありながら、なんとなく軽視されてしまいがちです。

LDKや家族それぞれのプライベートスペースなどの居住空間を優先して考えたくなってしまう気持ちはよくわかりますが、収納スペースのつくり方に失敗すると、その居住空間が侵食されてしまうことを考えると、やはりあまりないがしろにはできません。

収納スペースが少なすぎると、しまいきれない物が出しっぱなしになって散らかりがちになりますし、無理に狭い収納スペースに入るだけ詰め込んでしまうとどこに何があるのかわからなくなってしまうかもしれません。かといって追加で収納家具を設置すれば、大事な居住スペースが狭くなり見た目も悪くなってしまいます。

一方で収納スペースが多過ぎるのにも問題はあります。まず、単純に収納スペースを取った分、居住空間は圧迫されます。また、本当は捨ててもいい物、不要な物まで置いておくことができてしまうので、物が増えすぎてしまいやすいのもデメリットと言えるでしょう。

つまり収納スペースは、少なすぎても多すぎてもいけないのです。家の延べ床面積に対する収納スペースの割合は約15~20%が適正とされています。それを目安にして、我が家に合った無駄のない収納スペースの配置を考えましょう。

ちなみに、収納スペースを考える際に重要なのは、そこにいつ・どんなシーンで使う物をしまうのかということです。

例えば、衣類はそれぞれの個室に収納するのが基本パターンだと思いますが、下着やパジャマなどお風呂上りに必要になることが多いものは、実は脱衣所やその周辺に収納スペースを設けておいた方が便利だったりします。

このように生活スタイルに合わせて収納スペースを考えることで、より無駄なく使いやすい間取りにすることができるのです。

なお、目的や入れる物に合わせて収納スペースの形を変えることも大切です。特に奥行きは深すぎても収納量を増やすことにはならず、スペースを無駄に使ってしまいがちなので、注意してください。

また、衣類の収納としてウォークインクローゼットを検討する人も多いと思いますが、実はこのタイプの収納は、人が通る空間のぶんスペースを余分に必要とします。つまり、広いスペースを使う割に容量が少ないのです。

壁付けの一般的なクローゼットの方が同じ容量でも場所を取らないこともあるので、適した方を選びましょう。

また、アウトドアグッズや季節用品などの場所をとる物がたくさんあったり、収納スペースを各部屋にこまごまとつくるのは気が進まない…という方には、思い切って居住空間とは完全に区切られた収納のためだけの空間を大きく1つ設けてしまうのもおすすめです。

こうして細かく収納スペースを考えることができるのも、自分だけの注文住宅ならではのメリットですよね。収納スペースがうまく取れれば、居住空間をより無駄なく快適に使うことができます。それは本当の意味で暮らしやすい家をつくることにつながるのです。