『とりあえず設置』はNG!太陽光発電で得をする家しない家

自宅に設置できる発電設備として太陽光発電が注目されるようになって、もうかなりの年数がたっています。これから家を建てる人でも、太陽光発電をのせたいと考えている人は少なくないのではないでしょうか?

屋根の上で発電した電力を自宅で使って、余った分は電力会社に売電することができる太陽光発電というシステムは、光熱費を節約すると同時に現金収入にもなり、ぱっと見とても魅力的だと思います。

ただ、誰でも設置すれば得になるかというと、決してそうとは限りません。というのも、太陽光発電システムを設置するには高額な初期費用が掛かるからです。

一般的に、戸建て住宅に太陽光発電を取り入れる場合の目安は4~5キロワットほどとされています。

実際にそれがいくらくらいの費用で設置できるのかというのは、メーカーや家の状況によっても異なりますが。だいたい平均して、少なくとも150万円以上はかかることは間違いありません。

また、太陽光パネル自体の耐用年数は比較的長いですが、それ以外の様々な機械類は、一般的な電化製品と同様に10年前後でなんらかのメンテナンスや交換が必要になります。その際にも、ある程度の費用を見込んでおかなければなりません。

このように太陽光発電というのは、設置と維持に安くないコストのかかるシステムです。となれば、やはり相応の節約効果と売電収入を得られなければ、コスパが悪い、損をしていると言わざるを得ない状態になってしまう可能性が高いでしょう。

具体的に、太陽光発電を乗せても損をする可能性が高い例をご紹介します。

まず、屋根の広さや向きの問題から、太陽光パネルを適切な位置に3キロワット以上設置することができないケースです。

太陽光発電システムは、発電容量が大きくなるほど、つまり乗せるパネルの数を多くするほどパネル1枚ごとの単価が安くなる仕組みになっています。しかも、当たり前のことですが発電容量が少なければ節電量も売電収入も比例して少なくなります。

つまり、発電容量が小さすぎると非常にコストパフォーマンスが良くないのです。このコストパフォーマンスのバランスがある程度とれるのが、最低でも3キロワット以上、できれば4キロワット前後とされています。

太陽光発電の設置を検討している場合、屋根は可能であれば南向きの片流れ屋根にするのがおすすめです。屋根の構成パーツが多くなるほど、十分な日照が得られる位置に数多く太陽光パネルを設置することが難しくなります。片流れ屋根はほぼ1面で構成されているので、最も効率よく太陽光パネルを配置することができるのです。

もう1つ、気をつけなければいけないのが、日照率の低い地域や日照時間の短い地域に住んでいるケースです。

太陽光発電は当然ですが太陽の出ている時間帯しか発電をすることができません。また、雨や曇りの日でも多少の発電は見込めますが、晴天の日に比べれば発電率が大きく落ちるのは明らかです。

したがって、年間を通して天候が比較的不安定な北陸や日照時間の短い東北以北、それ以外でも山を背負う形になって日照時間が短い地域などでは、同じ量の太陽光パネルを乗せても同じ発電量を期待できない可能性が高いでしょう。

例えば、比較的日照率の高い名古屋に比べて北陸の金沢では全く同じ容量の太陽光発電システムを設置しても、トータルの発電量は80%ちかくまで落ちてしまうのです。

太陽光発電システムは、設置の仕方や日照環境によってコストパフォーマンスに大きく差が出る設備だということがおわかりいただけたでしょうか?もし太陽光発電システムを取り入れるのであれば、しっかりと専門の業者に相談してすすめていきましょう。