固定資産税に修繕費…知らなきゃ危ない建築後にかかるお金のこと

家が完成したらあとは住宅ローンを支払っていけばいいだけ…と思われがちですが、そうはいかないのが現実です。

戸建ての持家に住んでいくうえでは、避けてとおることができない3つの出費があります。

まず1つ目が火災保険・地震保険の保険料です。

いずれも加入することは義務ではありませんが、万が一の火災や地震などの災害は自力で避けられるものばかりではないので、やはり入っておいた方が良いでしょう。

この2つの保険はセットで加入できる商品があったり、住宅の状況や補償内容の充実度によっても保険料が大きく変わるので一概には言えませんが、戸建ての場合、だいたい年間5万円~15万円程度の保険料がかかると見込まれます。

支払い方法は様々で、数年分を一括で支払うことができるところも多いですが、その場合は一時的に大きな出費が発生することになるので注意が必要です。

2つ目の出費は、固定資産税や都市計画税などの土地・建物の所有者に課せられる税金です。

いずれも土地と建物それぞれに、自治体の定める評価額から算出された税金がかかるものなので、立地の良い土地ほど、そして築年数の浅い家ほど金額が高くなります。

ただし新築戸建ての場合、建築から3年間は建物にかかる税金に対して軽減税率が適用されるので、税額が半額になります。

3年を経過すると軽減税率がなくなるため、一気に固定資産税が高くなったように感じられますが、建物の経年劣化によって評価額は低くなっていくので、税額もそれに合わせて徐々に下がっていきます。

地域や土地建物の状況によって税額はかなり異なってくるので、これに関しても目安をお伝えするのは難しいのですが、だいたい10万円~20万円くらいは毎年かかってくるものと覚悟しておいてください。都市部の立地条件の良い場所だと、30万円近くになることもあります。

3つ目は、建物の維持・修繕費です。トータルで見ると完成後の費用としては最も高くつくのがこの用途での出費です。

建物は、当たり前のことですが時間が経てば古くなっていきます。骨組み自体は10年、20年でダメになってしまうほどやわではありませんが、屋根や外壁などの外装、キッチン・お風呂などの水回りやエアコン・給湯器などの設備の劣化は避けようがありません。

どんなに丁寧に使っていても、掃除をこまめにしていても、外装は15年前後、設備関連は10年前後で補修やリフォームが必要になってきます。こうした補修・リフォームにかかる費用がだいたい30年ほどで500万円~700万円程度とされています。

住宅ローンは長ければ35年払い続けなければならないのに、家自体は35年そのままの状態で持たせることができないというのは理不尽な感じもしてしまいますが、こればかりは仕方のないことというしかありません。

マンションであれば修繕費として少しずつ積み立てをしていくことができますが、戸建ての場合そのようなシステムがないので、自分で意識して費用を取り分けたり貯蓄していった方がよいでしょう。

このように家が完成してからも、それを維持していくためには決して小さくないお金がかかります。こうした完成後の出費も考慮に入れておくことで、家づくりの資金計画を無理のない実現性が高いものにすることができるのです。