サイズより数より重要!?風通しの良さは窓の”配置”で決まる!

窓には主に2つの役割があります。太陽の光を取り入れること、そして、自然の風を取り入れることです。

採光面については気に掛ける人も多いと思いますが、風通しの良さというのは見落としてしまう人や、気にはなっていてもどうすれば正解なのかわからないという人も案外いるのではないでしょうか?

風通しを良くするという観点から窓を考えた時、最も重要なのは窓の数でも大きさでもありません。窓の”配置”です。配置次第では、少ない・小さい窓でも外からの風を上手に取り込むことができます。

特に自然の風を活用したい、初夏から秋口の時期を軸にして、通風について解説していきましょう。

まず、効率よく風通しを得られる窓の配置を考えるうえで絶対に欠かせないのが、必ず風の入り口と出口をつくるということです。

風向きというのは地域や土地の立地条件によっても変わってきますが、基本的にはこの時期の風は南から北へと吹いているものです。したがって、南に入り口、北に出口となる窓を設けるのが、夏場の風を取り入れる最もベーシックな配置となります。

ちなみに、窓どうしは真向いに配置するよりも、斜めの対角線上に配置した方が部屋全体に空気が回るようになります。また、風は下から上に流れるという性質も持っているので、出口となる北面の窓は南面よりも上の方につけると、より効果的です。

南北に窓を配置するのが難しいという場合には、東西の壁面も活用しましょう。その場合には、窓ガラスが外側に滑り出すような形で開く《縦すべり出し窓》がおすすめです。斜めに張り出した窓ガラスが南からの風をキャッチする形になるので、南に面していなくても風が取り込めるのです。

外から風を取り込むと同時に、空気の流れをつくって家の中の熱気を外に逃がすというのも窓の通風面での重要な役割です。

暖かい空気は上の方にたまるというのは、ご存知ですよね。その性質から、上の方に窓を設ければ屋内の熱を逃がしやすくなるということになります。さらに風の流れる方向を考慮に入れると、熱を逃がす窓は北面に持ってくるのが理想的です。

つまり、北側の天井近くに天窓を設置するのが、通風という観点からするとベストということになるのです。

天窓というと光の差し込む南側に設置すべきというイメージがあるかもしれませんが、通風だけでなく採光面でも実は北側の天窓にはメリットがあります。夏の直射日光を受けないので室温を上昇させにくく、年間を通して安定したほどよい光量が得られるのです。

なお、熱を逃がすうえでも必ず空間に2つ以上の窓が必要になります。どうしても1面にしか窓が取れないと言う場合には、その1面の上下に2つの窓を配置しましょう。それだけでも、部屋の中に熱気が溜まりにくくなります。

また、ドア上開口を設けるなど、1階と2階の空気の流れを遮断しないような工夫をすれば、家全体で下から上への空気の流れをつくることができるので、より風通しが良く熱気を効率よく逃がせる、過ごしやすい家にすることができます。

夏場ずっと部屋を閉め切ってエアコンをかけ続けるのは、光熱費もかかりますし、健康的とは言えませんよね。自然の風をうまく取り入れることができれば、時期や時間帯によってはエアコンを使わずに過ごすことも可能になります。

ぜひ窓の配置を考える際には通風も意識してみてください。