家の外観を決定づける最も大きな要素と言えば、外壁ですよね。外壁の素材や色によって、モダン、ナチュラル、シックで高級…など、その家が人に与える印象は大きく変わります。天候や災害などの外部から受けるダメージから家を守るという意味でも、外壁は重要な役割を持っています。
また、住宅を維持するためには定期的なメンテナンスが必須となりますが、特に費用面で大きなウエイトを占めるのは、実は外壁なのです。
そこで今回は、特にメンテナンス性の高さに注目して、主要な5種類の外壁材を紹介していきたいと思います。
まず、戸建て住宅の外壁材として最もよく見かけるのが、窯業系サイディングです。主にセメントで構成された外壁材で、デザインが非常に豊富で比較的ローコストなので、注文住宅でも多くの人が採用しています。
サイディング自体は、セメントを焼き固めているのでそれなりに耐久性がある素材です。特に最近では、汚れや傷みに強い高機能製品も増えてきているので、より耐用年数は長くなっていると言えます。
ただ、問題になるのが表面塗装やつなぎ目を埋めるコーキングです。これらはサイディングに比べ劣化が早く、10年前後で何らかの形で補修が必要になります。
サイディングには、ガルバリウム鋼板と呼ばれる金属製のものもあります。素材の特性上、窯業系サイディングよりもすっきりとシンプルな印象を与えるので、モダンスタイルの住宅によく採用されています。
軽量で柔軟な性質を持っているので、地震の揺れや建物自体のゆがみに強いのが特徴です。
ただしこの金属系サイディングにも、窯業系サイディングと同様につなぎ目があるので、その部分はやはり10年前後でメンテナンスが必要になります。また、金属なので物がぶつかったりするとわりと簡単にへこみや傷がついてしまい、容易に直すことはできません。そういう意味では、メンテナンス性はやや低いと言えるでしょう。
タイルも住宅外壁としてよく採用される素材の1つです。コストはすべての外壁材の中でも断トツに高いですが、そのぶん見た目の風合いの良さや高級感は群を抜いています。
タイルはメンテナンス性という点でも、非常に優れた素材です。タイル自体の耐久性は非常に高く、施工技術もかなり向上しているので、基本的にはほぼメンテナンス不要といっても過言ではないでしょう。
塗り壁も最近人気が高まっている外壁材の1つです。セメントだけでなく、しっくいや珪藻土などの自然素材を使用することもできるうえ、基本的に手作業で仕上げていくので、ナチュラルな質感を出すことができます。
メンテナンス性に関しても、塗装やつなぎ目がないので、経年劣化による補修はそれほど必要となりません。ただし素材の特性上、補修するほどではないひび割れが発生しやすい、汚れが付きやすく目立ちやすいなどの弱点はあります。
最後にご紹介するのは、発泡コンクリート、いわゆるALCです。コンクリートならではの耐久性や遮音性、防火性を維持しつつ、かなり軽量化されているのが特徴です。
これも素材自体はかなり長期間の使用に耐えうるものですが、表面に塗装をかけているので、その部分のメンテナンスが必要になります。初期費用も比較的高いので、コストパフォーマンスを考えるとあまりメンテナンス性の高い素材とは言えないでしょう。
外壁を選ぶうえでは、メンテナンス性の高さは無視できない要素です。ぜひ見た目だけでなく機能性もばっちり兼ね備えた、納得のいく外壁を選んでください。