予想以上のストレスに!?土地選びにおける騒音と日当たりの重要性

家を建てる土地を決める時に、意外と軽視されてしまいがちなのが日当たりや騒音と言った感覚的な部分の条件です。

日当たりに関しては、土地の向きや隣接地の状況などある程度気にする方も多いと思いますが、それでも立地の良さや価格との兼ね合いによって妥協点となってしまう可能性の高い部分ではないでしょうか?

騒音に至っては、空港や線路のすぐそばなど、よほど明らかにうるさいだろうという場所でなければ、そこまで気にする人は少ないのが実情だと思います。

しかし日当たりの悪さやひどい騒音は思わぬストレスとなります。場合によっては住んでいる人をうつなどの心の病気に追い込んでしまうこともあり得るのです。

まずは日当たりについてご説明しましょう。太陽の光には、人が健康に生きていくために欠かせない2つの効果があります。

1つ目は、体内時計の調整です。人間を含め、ほとんどすべての生物には生まれながらに身体のリズムを整える体内時計が備わっていることをご存知の方は多いですよね。ただし人間の体内時計は、約25時間を1周期としているため、放っておくと24時間で1日というサイクルとはずれが生じてしまいます。

その誤差を解消する効果があるのが太陽の光なのです。朝起きて太陽の光を浴びることで、体内時計は一度リセットされます。それによって夜はまた正常にメラトニンという眠りをつかさどるホルモンが分泌され、質の良い睡眠をとることができるのです。

太陽の光のもう1つの効果は、セロトニンというホルモンの分泌を促すことです。セロトニンは精神を安定させストレスを和らげる作用のあるホルモンで、これが十分に分泌されることはうつ病の予防にもつながるとされています。

実際、日照時間の短い北国や冬季には『冬季うつ病』と呼ばれるうつ症状の発症者が明らかに多くなるという事実もあるほどです。

つまり、日当たりの悪い家で暮らし続けることで、うつ病や不眠症を発症するリスクは通常よりも高くなると言えます。

一方の騒音も、決して軽視できる要素ではありません。

騒音にも様々な種類がありますが、やはり想像しやすいのは飛行機や電車、車などの通過音ですよね。車が通らない場所なんて探す方が難しいんだから、気にしてもしょうがないのでは?と思われるかもしれませんが、大型車が頻繁に行き来する幹線道路や交通量の多い国道の騒音というのは、やはりなかなかのものです。

他にも、学校や幼稚園、公園などから聞こえてくる子どもの出す声や音、隣接した家から漏れ聞こえてくる生活音なども、度が過ぎれば騒音と感じるものです。

こうした騒音を聞きながら暮らし続けることは、自分自身が思っている以上にストレスになります。そして人はストレスを強く感じると神経系を興奮させ感覚を過敏にする交感神経が活発になるため、余計に音が耳につくようになります。

すると騒音によるストレスがさらに強く感じられ、余計に聴覚が過敏になるという恐ろしい悪循環に陥ってしまうのです。最悪の場合、これもまた日光不足と同様に不眠症やうつ病・うつ状態をもたらす可能性が少なからずあります。

土地探しの際には、必ず現地を確認して日当たり・騒音の状況をチェックしましょう。時間帯や曜日によっても状況は大きく変わることがあるので、できれば違う条件のもとで複数回訪れるのが理想です。日当たりに関しては、季節によっても全く変わってくるので注意が必要です。

騒音や日当たりの悪さは他の条件と比べて些細なことと思ってしまいがちですが、健康に大きく影響を与えかねない重要な要素です。決して軽んじてはいけません。