どこでどうやって借りるのがベスト?住宅ローンの上手な選び方

住宅ローンを組む際に悩ましいのが、どの金融機関でどのタイプの商品を選べばよいのかということですよね。

大手都市銀行から地方銀行、信用金庫にネットバンクまで、住宅ローンを取り扱っていない金融機関というのはほぼ皆無です。しかも、たいていの銀行がタイプの異なる複数の住宅ローンを取り扱っています。

大手ハウスメーカーや中堅ビルダーなどであれば提携している金融機関があることがほとんどなので、そこで住宅ローンを組むのが最もスムーズです。しかし、小さな工務店や設計事務所の場合はそのようなシステムがないことがほとんどです。

また、提携している金融機関の住宅ローンを選ぶのは手軽ではありますが、それがベストな選択肢とは限りません。やはり、人生最大ともいえる高額のお金を借り入れる重要な局面ですから、できれば言われるがままではなく自分で納得して選びたいですよね。

住宅ローンは金利システムによって大きく3つのタイプに分類できます。全期間固定金利型と金利固定期間選択型、そして変動金利型です。

全期間固定金利型というのは、文字通り最長35年の返済期間中ずっと金利が一定のまま変わらないということです。代表的なものに、住宅金融支援機構が携わっている『フラット35』などがあります。

契約時の金利がそのまま続くので毎月の返済額が上がることはありません。将来的なライフプランも立てやすく、安心感があるのがこのタイプのメリットです。ただし金利は3種類の中では最も高くなります。

金利固定期間選択型の場合、契約時から一定期間は固定金利が適用されます。その期間が過ぎると、変動金利型に移行するか、契約時よりもやや上がった金利で再び金利固定期間選択型として続けるかどちらかになります。金融機関によってはいずれか希望する方を選ぶことができる商品もあります。

金利固定期間は1~5年程度と比較的短いものから10年、15年という長期の金利固定が可能なものまで商品によって様々で、金利固定期間が長いほど金利は高くなります。

このタイプの商品は、最初の金利固定期間が終わると金利が上がることがほとんどなので、移行して月々の返済額が増えるタイミングがライフプランに影響しないように固定期間を選ぶのが大切です。

変動金利型は、契約時から完済まで金利が一切固定されることなく、世間の金利相場にしたがって増減するタイプです。3つのなかでは最も基本の金利設定が低くなりますが、半年ごとに金利の見直しが行われます。

金利の上り幅は最大1.25倍までとされていますが、景気がよくなり金利相場が上がり続けていけば毎回そのくらいずつ住宅ローンの金利も上昇していく可能性があります。つまり、最も不確定要素が大きいのがこのタイプなのです。

なお、住宅ローンを選ぶ基準は、金利のタイプだけではありません。事務手数料や保証料、債務者が死亡するなどして返済不可能になった時に残債が帳消しになる団体信用生命保険の保険料などの諸費用の金額も金融機関によって少なからず異なります。

また、意外と見落としがちなのが繰り上げ返済の手数料です。住宅ローンの返済期間を短縮できる繰り上げ返済はぜひ積極的に行うべきなのですが、金融機関によっては繰り上げ返済のたびに手数料がかかることがあります。

手数料無料のところに比べ毎回数万円の手数料がかかるところでは、自分のタイミングでの繰り上げ返済がやりにくくなってしまうので、必ず確認するようにしてください。

同じ金額の借り入れでも、どこでどのように住宅ローンを組むかによって返しやすさは全く変わってきます。しっかり調べて自分にあった住宅ローンを選びましょう。