オール電化と電気・ガス併用、結局どっちがお得なの?

生活していくうえで、光熱費というのは欠かせない出費の1つです。せっかく家を建てるのだから、できれば光熱費を節約できる家にしたいと考える人は多いですよね。

そこで悩ましいのが、オール電化にするか従来通りの電気・ガス併用にするのかということです。一般的にオール電化住宅は電気・ガス併用よりも光熱費が節約できると言われますが、実際のところどうなのでしょうか?

そこでここでは、オール電化が本当に電気・ガス併用に比べてお得なのかということを詳しく解説していきたいと思います。

まず導入コストに注目してみましょう。

電気・ガス併用の場合、住宅建設時に電気とガスそれぞれの引き込み工事が必要になります。一方オール電化ならガスの引き込みにかかる工事費や設備費はかかりません。また、ガス機器設置に伴う警報機などの安全装置の設置コストも浮かすことができます。

ただしオール電化にするにあたっては、IHクッキングヒーターやエコキュートのような電気温水器など、特有の設備が必要になります。これらのオール電化対応機器はたいていガスで使える設備機器よりも大幅にコストアップしてしまうのです。

選ぶ設備機器のランクにもよっても総費用は変わってくるので一概には言えませんが、導入コストに関してはオール電化も電気・ガス併用も期待したほど差は出ない可能性が高いでしょう。

それでは一番気になるランニングコストはどうでしょうか?

オール電化であればガスは契約自体必要ないので、基本料金すらかからなくなります。これによって少なくとも毎月千円以上は節約することができるでしょう。

また、オール電化にする場合、だいたい23時~翌7時まであたりの夜間電力を通常よりも安く利用できる電気料金プランを契約することが多いと思います。しかしこの夜間電力割安のプランでは、昼間の電力は通常よりも高めに設定されていることがほとんどなのです。

したがって、夜間の電気料金だけでいえば確実にガスよりもコストパフォーマンスはよくなりますが、夜間帯以外の時間の電気使用量が多くなりすぎると、予想以上に電気料金が高くついてしまうことがあります。

この問題は家庭用蓄電池を設置して安い夜間電力を貯めておき、昼間の使用に回すことで解決できますが、蓄電池自体のコストが100万円以上かかることを考えると、判断の難しいところです。

結局のところ、オール電化住宅が電気・ガス併用よりもお得になるかどうかは、住む人の生活スタイルに大きく左右されます。初期費用を抑え、夜間電力をうまく活用できればかなりコストを節約できますが、日中に料理や洗濯、掃除などほとんどの家事を行う生活サイクルではあまりお得さを実感できないかもしれません。

オール電化と電気・ガス併用は基本的に後からどちらかに工事で変更するということはできません。ガスを使うのであれば建物を建設する前にガス管の引き込み工事を行わなければなりません。逆に一度引き込んだガス管を撤去して新たにそこに電気配線をするというのも非常に難しいことです。

オール電化と電気・ガス併用、どちらがより自分の家庭の生活スタイルに合致していて、コストパフォーマンスが良くなるか、後悔することのないように、よく考えて決断してください。