使い勝手が全然違う!外構におけるゾーニングの重要性

家づくりというと、建物自体の間取りや内装に意識が偏ってしまいがちですが、庭や駐車場と言った外構部分も忘れてはいけません。外構のつくりや配置によって、住まいの使い勝手は少なからず変わってくるのです。

そこで今回は、使い勝手の良い外構をつくるための必須知識である、ゾーニングについて解説していきましょう。

ゾーニングというのは、シンプルに言えば《何をどのゾーンに配置するか》を考えることです。ゾーニングは、大きく3つのステップに分けて進めていくことになります。

まず最初の1ステップは、敷地の置かれている環境をチェックすることです。

どの方位が道路に面しているのか?隣接地には戸建てが建っているのか、集合住宅なのか、あるいは公園などの開けたスペースなのか?日当たりは良いのか、悪いのか?など、様々な観点から敷地全体をチェックしましょう。

道路の幅や交通量、隣家の高さや窓の位置など、できるだけ細かい部分まで確かめておくことが重要です。

2つ目のステップでは、この環境チェックをベースにして実際に外構の配置を考えていきます。ここで外構に配置するべき主なパーツを確認しておきましょう。

まず、外構において最も重要なのが玄関までのアプローチです。家族はもちろん、来客も必ず通る場所なので、家の外観上の第一印象を大きく左右するだけでなく、この部分のアクセスが悪いと、非常に不便を感じさせてしまいます。

また、防犯面でもアプローチは大きな役割を持ちます。門がないオープンスタイルのアプローチは開放的な雰囲気で好印象ですが、侵入しやすそうという印象を与えてしまうこともあります。逆に建物や植栽の陰になって人目が遮られすぎるアプローチも、空き巣などが作業をしやすくなり、かえって危険です。

次に重要性が高いのは駐車場です。道路に面した場所に駐車場を配置するというのはごく当たり前のことですが、そのスペースをどのような向き・形でとるかで出入りのしやすさは大きく変わってきます。

子どもが遊んだり、家族でバーベキューをしたり、園芸・家庭菜園を楽しんだりするためのスペースである、メインガーデンも外構を考えるうえで欠かせません。何を目的にするかで、メインガーデンに求める要素は変わってきます。

例えば家族で過ごす空間を重視したいのであれば、ある程度の広さがあり、隣家や道路からの目線を遮ってプライバシーを確保できることが望ましいですし、園芸や家庭菜園を楽しみたいのなら、何よりも日当たりが重要になります。

もう1つ使い勝手の良い住まいを実現するうえで重要性が高いのが、ごみを一時的に置いておくなど、家事のために使用するサービスヤードと呼ばれる部分です。基本的に勝手口の付近に配置することになるでしょう。

この4つのパーツを、用途に合わせて適した場所に配置していきましょう。

3つ目のステップは、動線の確認です。動線というのは、実際にその空間を移動する際の動きを線で表したものです。

特に重要なのが、駐車場からアプローチ、そして玄関までの一連の動線です。この部分の動線がややこしかったり、遠すぎたりすると、雨の日や荷物の多い日などは家の出入りが非常に不便に感じてしまうでしょう。

また、ゴミ出しの手間を考えると、サービスヤードから家の敷地外への経路もきちんと確保しておかなければなりません。

それぞれのパーツがベストな位置に配置されていても、空間どうしのつながりが悪ければ結局使い勝手の良い外構にはならないのです。

ゾーニングを意識することで、敷地全体の使い方を具体的にイメージしやすくなります。ぜひ外構を考える際には参考にしてみてください。