くつろげる我が家に。ちゃんと分けようプライベートとパブリック

間取りを決める際の指標の1つとして、プライベートとパブリックという概念があります。

プライベートとは、文字通り個人がプライベートな時間を過ごす空間、パブリックは、逆に家族みんなで共有して過ごす空間や、来客を通しても構わない場所を指します。それぞれの分類にどの空間が該当するのかという基準は様々ですが、基本的にはそれぞれの個室や寝室がプライベート、リビングやダイニング・キッチンなどがパブリックとなります。

トイレ、お風呂・洗面などの水回りに関してはやや意見が分かれますが、個人的にはプライベートとして考えることをおすすめします。というのも、これらの水回りの空間というのは、家族みんなが使う場所ですが、子どもが小さいうちでもない限り、同時に使うことはあまりないですよね。また、来客を気兼ねなく通せる空間とも言いにくいところです。

そういう意味では、これらの空間はプライベートか、それに準ずるものとして分類しておいた方が結局のところ住みやすい間取りになるのではないかと思うのです。

とは言え、プライベートとパブリックという概念に関する考え方は家庭によって大きく異なります。

特に最近では、限られた空間を無駄なく使うため、客間などの来客専用の空間をつくらずにLDKを家庭内外に対するパブリックスペースとして家づくりをしているケースがほとんどと言えます。同時に、家族の使いやすさを重視して、トイレやお風呂・洗面などのプライベートに近い空間がパブリックスペースであるLDKに隣接した間取りも多く見かけます。

このようなプライベートとパブリックが混在する間取りも、暮らすうえでは便利なのですが、来客時にはトイレやお風呂を気兼ねなく使えないという問題が生じることが考えられます。

やはりそういった点を考慮すると、できればプライベートとパブリックはある程度明確に分けて間取りを考えるのが無難でしょう。例えば水回りをLDKに隣接して配置するにしても、廊下を挟むなどしてワンクッション置いた方が、住む人にとっても来客にとっても安心感がある間取りになります。

また、リビング自体をどの程度パブリック性の高いスペースにするのかというのも重要な問題です。

繰り返しになりますが、最近ではリビングを含むLDKをお客さんを通すスペースとして想定している家庭が大半です。しかし一方で、家族が食事をしたりテレビを見てくつろいだりと主に過ごすことになるLDKは、どうしても散らかりやすく生活感が出やすい空間でもあります。

親しい友人・知人であればそれでも気兼ねなく招くことができるでしょうし、まったく気にならないタイプの人も少なからずいると思います。しかし生活スペースに人を入れるのが嫌なタイプの人や、片付け自体が苦手な人にとっては、来客がストレスになりかねません。

その場合には、生活感がより出やすいキッチンやダイニングとリビングの間に可動式の間仕切りを設けておくなど、リビングをよりパブリック向けのスペースとして利用できるような可変性の高い間取りにしておくのも1つの方法です。

プライベートとパブリックに関しては、人によっても全く捉え方が変わってくるので、一概にこうするべきという正解はありません。しかし、この概念を踏まえて間取りを考えることで、家族みんなが暮らしやすい家の形が明確に見えてくることは間違いないでしょう。

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