要注意!地味に後引く照明スイッチ・コンセントの位置決めの失敗

家づくりにおける失敗というのはすべからく、生活に大きく影響するうえに、後からリカバーしにくいものです。そんな中でも特に失敗が後をひくなぁと筆者が感じているのが、照明スイッチとコンセントの位置なのです。

この2つはいずれも家づくり全体から見ると非常に地味な部分です。中には、さほどこだわらず建築会社に任せてしまうという人もいるでしょう。

しかし照明スイッチもコンセントも、ほとんど毎日のように使用するものであり、使い勝手の悪さが地味にストレスになります。しかもこうした電気関連の設備というのは、後から位置を移動したり、新たに追加することは基本的にできないと思っておいた方が良いでしょう。不可能ではないのですが、壁の内部にある電気配線をいじらなければならないので、予想以上に費用のかかる大掛かりな工事になります。

そこでこの2つのポイントについて、位置決めで失敗しないためのコツをそれぞれご紹介しましょう。

まず照明スイッチの位置決めをする上で最も重要なのが、動線を考えて配置することです。

例えば玄関の照明を例に挙げてみましょう。玄関の照明を操作するのは基本的に家に入ってきた時と家を出ていく時ですよね。となると、玄関ドアのすぐ近く、つまり土足で立つ部分に照明スイッチがあってもいいように感じます。

しかし玄関ホールが廊下を兼ねていて、家の出入り以外にも玄関の照明を点灯する必要があるというケースだと話は変わってきます。土足でなければ届かない場所に照明スイッチがあるのは非常に不便なのです。

その場合には、土足でもそうでなくても届く場所に照明スイッチを設けることになりますが、玄関を入った瞬間に電気をつけられないのは少し不便かもしれません。

少し費用が余分にかかりますが、玄関照明のスイッチを玄関ドア脇と廊下側の2か所に設けてどちらの場合でも対応できるようにするというのも1つです。あるいは、玄関照明自体を人感センサー付きの自動点灯のものにしてしまうという方法もあります。

このように玄関照明1つとっても、スイッチの位置にはかなり検討の余地があるのです。照明スイッチが動線から大きく外れた場所にあると、余分な動きが必要になり、使い勝手が非常に悪くなります。

一方、コンセントの位置決めに関して欠かせないのは、使用するであろう電化製品の数量と設置場所を図面段階である程度明確にしておくことです。

特に重要なのが、キッチン回りとテレビ・パソコン回りです。いずれも、同時に使用する電化製品の数が多くなりがちな上に、家庭によって使用状況に大きく差が出やすいポイントです。

例えば料理好きでいくつもの調理家電を同時進行で使うという人と、キッチン回りはオーブンレンジと炊飯器程度でシンプルにまとめたいという人では、必要となるコンセントの数はもちろん、高さや位置も全く違うでしょう。

また、コンセントはなんとなく部屋の角部分に設置したくなってしまいがちですが、実際にそうしてみると、かなりの割合で家具や家電とかぶって使えないコンセントが出てきてしまうので注意してください。

照明スイッチとコンセントは間取りや家族のライフスタイルによって必要数や位置が大きく変わってくるものだということがおわかりいただけたでしょうか?

建築会社や電気工事会社が提案する電気配線は、あくまでも一般的な基準で考えられたものでしかありません。せっかく選択の余地がある注文住宅なのですから、ぜひ我が家らしく使い勝手の良い配置を考えてみてほしいと思います。