家を建てることを検討している方の中には、子どもがいる、あるいはいずれは子どもを持つことを考えているという方がかなりの割合でいると思います。
その場合、新たな我が家は大切な子育ての場ともなるわけです。となるとやはり、子育てという観点も間取りを考えるうえでは外すことのできない要素でしょう。
子育てしやすい間取りをつくるキーポイントは主に3つあります。
1つ目はリビング(LDK)の空間づくりです。
リビングというのは、月並みですが子どもを含めた家族みんなが集い、コミュニケーションをとれる空間でなければなりません。快適で居心地の良いリビングには、自然と家族が長居するようになります。
狭すぎてもくつろぎにくいですが、広すぎても落ち着かない空間になってしまいます。適度なゆとりと、程よいくつろぎ感が両立できる20畳前後の広さを目安としましょう。
また、できるだけ長方形に近いシンプルな間取りの方がどこにいてもコミュニケーションがとりやすくなります。特に子どもが小さいうちは、不慮の事故を防ぐためにも見通しが効く方が安心です。
最近よく見かけるリビングに隣接した畳スペースも、子どもが小さいうちはおむつ替えやお昼寝、おもちゃをおいて遊びのスペースなど、何かと重宝します。
ちょっとしたワークデスクなど勉強できるスペースがあると、子どもが学校に通うくらい大きくなってからもリビングから離れていくのを阻止するのに効果的です。
2つ目のポイントになるのは、やはり子ども部屋です。
子ども部屋と言えば近ごろ主流になっているのが、1つの大きなスペースに後から間仕切りを設置して2部屋に分けることができるタイプの構造です。小さいうちは広々と兄弟で遊ぶ空間がとれて、成長してプライバシーの気になる年頃になったら個室が持てるというのは非常に合理的ですよね。
部屋数を増やすと1部屋の広さとしては小さくなってしまうということを悩む方もいるかもしれませんが、子ども部屋に子どもを引きこもらせないためには、むしろ子ども部屋はそれほど広くて快適すぎる場所でなくても構わないと言う考え方もあります。
とは言え、やはり子どもと言えども1人の人間であり、プライバシーを尊重される権利があることは間違いありません。
家族のつながりを重視するあまりに子ども部屋をセミオープンなスペースにしたり、リビングとつなげる間取りを見かけることもありますが、やはりある程度は独立した個室としての空間を確保しておくことをおすすめします。
3つ目のキーポイントは空間同士のアクセスの良さです。
子育てと家事をおそらくメインでこなすことになるお母さんは、家の中をとても忙しく動き回らなければなりません。子どもが小さいうちは特に、目も手も離せないという期間が数年間は続きます。
例えば洗濯1つとっても、洗濯機をセットして洗いあがったらバルコニーまで干しに行き、乾いたらまたバルコニーに取り込みに行って、たたんでそれぞれの収納スペースにしまって…と順を追っていくと、かなりの手間になります。
そんな時に、空間同士のアクセスが悪く、移動にいちいち時間がかかったり、同じ場所を何度も行き来しなければならないと、余計に作業の効率が悪くなってしまいます。
これでは子どもから目を離す時間もどうしても長くなってしまいますし、何よりお母さん自身が大変です。家事動線を意識して、効率よく動けるつながりの良い間取りを意識しましょう。
子どもが安全に、健やかに育つこと、そして子育ての要となるお母さんがストレスなく快適に過ごせること、この2つの条件を満たして初めて、本当の意味で子育てしやすい間取りと言えるのです。