絶対汚れる場所だから…水回り設備で本当に重視すべきこと

キッチンやお風呂・洗面、そしてトイレといった水回り設備は、生活の要ともいえる非常に重要な部分です。毎日必ず使うことになるうえに、水回り設備だけで家の中でもかなりのスペースを占めます。

つまり、水回り設備の選択は家の印象や使い勝手に大きく影響することになるのです。

特に女性の方は、水回りのデザインや使い勝手の良さにこだわりたい人が多いですよね。逆に水回り設備はあまりこだわらず、コストを抑えたいという人もいるでしょう。しかし水回り設備を選ぶうえで最優先すべきことは、実はデザインでもコストでもありません。お手入れのしやすさです。

水回りというのはとにかく汚れやすい場所です。水回りというくらいですから水にさらされている時間が長く、どうしてもカビや水垢がはびこってしまいがちですし、キッチンであれば油や食品の汚れ、トイレであれば汚物の汚れなど、その空間ごとに特有の汚れにも悩まされます。

家づくりというと、なんとなくデザイン性の高さや素材へのこだわり、あるいは費用を抑えることに意識が偏ってしまいがちなものですが、どうか普段の日常生活を冷静に思い返してみてください。水回りの掃除にどれほどの手間がかかっているでしょうか?

もちろん、これからずっと暮らしていく家ですから、デザインにも使い勝手にもこだわるのは大切です。予算は無限ではありませんから、節約できるところはするべきでしょう。しかし大前提として、水回り設備にはお手入れの楽なものを選ぶべきであるということを覚えておいてほしいのです。

お手入れの楽な水回り設備を選ぶポイントは大きく分けて2つあります。

1つは汚れが定着しにくい素材を選ぶことです。

木材やタイルなどの自然素材は、風合いが良く温かみがあって非常に魅力的です。しかし、こうした自然素材は表面が粗く凹凸が大きいため、水垢や油汚れ・皮脂汚れなどが流れていかずに定着してしまいやすいのです。そしてそれらの汚れはカビの原因にもなります。

どうしても水濡れや汚れが避けられないお風呂の浴槽や床、洗面ボウル、キッチンのトップや流し回りなどには、やはり強化プラスチックや金属、人造大理石などの人工製品を使うのがオススメです。また、自然素材ベースでも防汚加工を施したものや、カビにくいタイル目地を使うなどの工夫で風合いを損なわずに汚れにくさを叶えることが可能な場合もあります。

同様の注意点は水回りの床や壁にも言えます。無垢材のフローリングや珪藻土の壁などは汚れへの耐久性は高いとは言えません。キッチンや洗面、トイレなどの水回りスペースには、同じフローリングでも水・汚れに比較的強い複合フローリングやクッションフロア、ビニールクロスなどを選びましょう。

もう1つのポイントは水はけがよく掃除しやすいシンプルな構造・形状のものを選ぶことです。

凹凸や継ぎ目の多い形状のものは、水はけが悪くカビやすくなります。また、掃除しようとしても細かいへこみやすき間だと手が届かないこともあるでしょう。

また、極端にローコストな水回り設備にありがちなのが排水溝やレンジフードなど表から見えない部分の構造が旧式の複雑なものになっているパターンです。水回りではこうした見えないところこそ汚れやすく、手入れが避けられないのですから、掃除しやすいシンプルな形状でなければなりません。

最近では、大手住設メーカーなどからデザイン性とコストパフォーマンス、お手入れのしやすさのすべてを兼ね備えた優秀な商品も数多く開発されています。ぜひ心地よく美しく使える、理想の水回りを目指してみてください。