共働き夫婦の住宅ローン、どうすべき?3つの選択肢とその特徴

最近では夫婦どちらもほぼフルタイムで働いている共働き家庭も増えてきています。

共働き家庭は、同世代のほぼ一馬力家庭よりも世帯収入が高い傾向があるので、住宅ローンで借入できる金額もより高くなります。また、20代など比較的若いうちでも、同様に世帯収入の高さから住宅ローンが組みやすいというメリットもありますよね。

ただ、共働き家庭の場合、住宅ローンの組み方に悩んでいる人も多いのではないでしょうか?

夫婦共働きで、2人分の収入をベースにして住宅ローンを組むのであれば、考えられる方法は3つあります。連帯保証型と連帯債務型、そしてペアローンです。

それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説していくので、家庭の状況に適したものを選びましょう。なお、説明をわかりやすくするために、基本的に夫が主となって住宅ローンを組むものと仮定します。

連帯保証型というのは、妻の収入を合算はするものの、夫名義で住宅ローンを契約し、基本的には夫が返済義務を負うという方法です。この場合、妻は連帯保証人という形になり、団体信用生命保険(団信)が適用されない要件で夫が返済不能となった場合には返済の義務を負うことになります。

この方法のメリットは、妻の収入を合算した分、借り入れ可能な金額が増えるということです。また、契約時の事務手数料などは当然、1つ分で済みます。

ただし妻には団信は適用されないので、万が一、妻が死亡するなどして世帯収入が大幅に減ると、住宅ローンの返済負担が大きくなります。また、住宅ローン控除は夫にしか適用されません。

全体的にみると、この連帯保証型では借り入れ可能額が増える以外は、夫が1人で住宅ローンを組むのとほとんど変わらないと言えるでしょう。

一方、連帯債務型というのは、1つの住宅ローンを夫が主債務者、妻が連帯債務者として2人の名義で組むという形です。この場合、妻も夫と同等の返済義務を負うことになります。

連帯債務型でも組む住宅ローンは1つなので、事務手数料などの諸費用は1つ分しかかかりません。一方で、2人とも債務者となっているので住宅ローン控除は2人分、つまり通常の2倍受けられることになります。

このように費用的なメリットはかなり大きいのですが、この連帯債務型の住宅ローンを取り扱っている金融機関はあまり多くなく、ほとんどが全期間金利固定のフラット35タイプのものです。変動金利や期間限定の固定金利の住宅ローンを選ぼうと思うと、かなり選択肢は狭まってしまいます。

また、団信に2人とも加入できる商品はフラット35など限られてきます。つまり、夫が万が一死亡してしまっても、妻が残りの住宅ローンを返済しなければならない可能性が高いのです。

最後にご紹介するペアローンというのは、他の2つとはかなりタイプが異なります。というのは、例えば夫が2000万円、妻が1000万円というように、借入額を2つに分けて、夫婦がそれぞれ別々の住宅ローンを組む形になるからです。この場合、お互いがお互いの連帯保証人になるのが一般的です。

ペアローンの最大のメリットは、各自が独立してそれぞれの住宅ローンの主たる債務者となっているので、住宅ローン控除も団信も、確実に完全な形で受けられるという点です。

事務手数料は住宅ローン2つ分必要になってしまいますが、ローン控除で戻ってくる金額を考えれば、それほどマイナスにはならないでしょう。

ただし万が一夫婦のどちらかが死亡するなどして返済不可能になってしまっても、団信が適用されるのは片方の住宅ローンのみなので、残りの住宅ローンは払い続けなければならないというのは、デメリットとも言えます。